7月下旬になると、関東でも梅雨が明け、連日30度以上の猛暑が続きます。汗対策は欠かせません。
汗を拭くボディータオルに関しては、『#35 Mintleap BODY COOL SHEET 』の記事で触れたので、今回は、肌着について考えてみたいと思います。
永世定番“SEEK”と新興勢力“AIRism”を比較します。
ちなみに、グンゼの調査によると、日本人男性の93%がYシャツの下に肌着を着るそうです。
SEEK研究
SEEKは大阪の会社である、「グンゼ株式会社」が製造している紳士用肌着です。
意外と知られていませんが、2015年に「GOOD DESIGN AWARD」受賞しています。
特徴としては、「肌着の段差の極小化」が挙げられます。
● カットオフ…生地の端(袖、首周り、裾)を切りっ放しの状態で仕上げる加工
● 縫製技術 … 完全無縫製商品にする「接着技術」を開発。横の縫い目がない。
● 肌着の色 … 肌の色に同化し、白いYシャツの下でもうつりにくくするベージュを採用
● 洗濯タグ… 洗濯表示を転写マーク化する
SEEKの『HP 』にも「こだわりの仕様」としてこれらが紹介されています。
日本のメーカーらしく、真面目に、素材、シルエット、縫い方などを研究し、見事な商品を作っています。
「カンブリア宮殿」のHPによると、伊勢丹メンズ館B1の下着売り場だけで、SEEKの売り上げが年間4,000万円あるそうです。
残念なことに、丁寧に製作している分、値段が少々お高めです。
一番安いもので3,000円程度、高いものだと5,000円程度の物まであります。
こんなに高価でなければ、他に目が行くことなかったのですが…
トルソーに着せてみた
SEEKをトルソーに着せてみました。深いVネックになっているので、第3ボタンまで開けても肌着は見えません。
ちなみに、第4ボタンまで開けると2cmほど肌着が見えます。
肩に縫い目はありますが、脇には縫い目がありません。
タグが生地に転写されています。脇がチクチクしません。
肌着の上にYシャツを羽織ってみました。
上から強い光を当てているので、肌着が目立ちますが、実際には、ここまで透けません。
サイズは以下の通りです。ともにLサイズの寸法です。
ちなみに、〔通常サイズ〕は、袖がかなり長いので、半袖Yシャツだと、肌着が見えてしまうかもしれません。
夏は、半袖のシャツに合わせられるように〔袖短め〕タイプも販売されます。
着丈 | 肩幅 | 胸周り | 袖丈 | |
---|---|---|---|---|
通常サイズ | 69cm | 39cm | 96~104cm | 21cm |
袖短め | 71cm | 39.5cm | 96~104cm | 13cm |
なお、袖を短くしすぎてしまうと脇汗を吸いきれず、ワイシャツが濡れてしまいます。
15cm程度は残しておくと良いと思います。
AIRism研究
UNIQLOが東レと共同開発した髪の毛の12分の1の極細繊維で作った肌着です。
袖と首周りが切りっぱなしになっています。
● ドライ効果…汗をかいてもすぐ乾く
● 消臭効果 …臭いの元を吸着・中和させる
● 抗菌・防臭…臭いの元となる雑菌の繁殖を防ぎ、汗などの匂いを抑える
● 接触冷感…着た瞬間にひんやりして、涼しい着心地を体感できる
夏場に着ることを考えると、「ドライ効果」と「接触冷感」は助かります。
値段は1,500円です。
最近は値下げされ、990円で売られることが多いです。
トルソーに着せてみた
AIRismをトルソーに着せてみました。
生地のドレープ感から分かるかもしれませんが、とにかく軽くて柔らかいです。
着ていることを忘れてしまうくらいです。
生地が軽くて柔らかいので、脇の縫い目はほとんど気になりません。
それよりも、何よりも、この大きなタグが問題です!
確かに、柔らかい素材を使っているので、気にはならないのですが、エレガントさに欠けます。
今後の改良でタグを転写することを望みます。
肌着の上にYシャツを羽織ってみました。
SEEKよりは透けない気もします。
サイズは以下の通りです。Lサイズの寸法です。
着丈 | 肩幅 | 胸周り | 袖丈 |
---|---|---|---|
72cm | 42.5 | 98cm | 17cm |
袖丈が17cmだと、半袖から肌着が見えることもありません。絶妙な丈です。
まとめ【SEEK v.s. AIRism】
6月〜9月の4か月間着比べてみました。時系列で感想を書きます。
① 6月
蒸し暑さを感じ始める6月に両者を着比べてみました。
● 防臭効果の差は感じられず
→ 1日着るとどちらも若干臭う。半日で取り替えるのがベストか?
● シルエットの差は感じられず。
● 気温が30度を超えるとSEEKは少し暑い。
となりました。
目が詰まっている分、SEEK は高温下ではしんどかったです。
AIRism は「接触冷感」の効果で涼しさが維持できます。
一応、夏用SEEKなる物も買ってみましたが、若干、着心地(生地がザラザラしている)に変化は感じられるものの、通年タイプのSEEKと大差ありませんでした。
結論:夏の間は AIRismで涼しく過ごすのが良い
② 7月・8月
7月を過ぎると気温も一気に上がり、35℃を超える日も出てきました。
汗が吹き出ると言っても過言でない猛烈な暑さの中、さらに着比べてみました。
新たな発見がありました。
AIRism … 素材がナイロン+ポリウレタンなので、汗の吸収は綿には劣る。その後は、綿よりはさらっとしている。イメージとしては、ジムで着るナイロンのTシャツに近い。
SEEKの汗の吸収は抜群です。
さすが、綿といったところでしょうか。
高温になる午後の移動の際には大活躍してくれると思います。
でも、「ビチャ〜」っとしたままなので、着替える必要があります。
いくら、「汗ジミ防止加工」がしてあるとはいえ、びしょびしょに汗をかいてしまうと、効果は半減します。
AIRismは素材が「ナイロン+ポリウレタン」なので、汗を吸収するというより、外に排出するイメージです。
上にYシャツを着ているので、せっかく汗を吸いだしても、Yシャツでブロックされてしまいます。
激しく汗をかく時間帯はSEEKの方に分があるか?
結論:涼しい時間帯は AIRism。暑い時間帯の移動がある人は SEEKを着用して、着替えるのがよろし。
③ 9月
9月上旬はまだまだ暑く、動くと汗が吹き出る状況は変わりません。
その後も、毎日着比べていたのですが、9月初めにさらなる変化がありました。
AIRism が汗臭く感じられるようになったのです。
着用した後の生地からだけでなく、洗って干した後の生地からも汗臭さを感じるようになりました。
どうしたものかと思い、色々調べたら、こんな記述を見つけました。
吸湿速乾生地では、汗の水分だけが先に蒸発し、臭い物質は生地に取り残されてしまいます。結果として凝縮されたひどい臭いがただようことになる。
どうやら化繊は臭いがつきやすいようです。
生地に汗臭さがついてしまい、着用した直後から汗臭いのではさわやかさ(?!)も台無しです。
というわけで、AIRism は夏用の肌着候補から脱落しました。
以下が最終結論です。
最終結論: SEEKを着用し、汗をかいたらまめに着替えるのがよろし。
4か月に渡る試行錯誤に結論が出てホッとしています。
来年からは、SEEKで夏を乗り切ろうと思います。
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